大工の豆知識

こんにちは。鳥取は毎日暑い日が続いており、猛暑の中の作業と日々格闘しております。
そんな中、現場で作業いただく職人さん方には本当に感謝です。
皆様も熱中症にはくれぐれもお気をつけください。
さて、そんな私中原は、今では現場監督ですが、過去に大工(木工)職人として仕事を一時期していた経験がございます。
そういったことから、今回は大工さんのお仕事内容について触れてみたいと思います。
いきなりですが、皆さんは学生の頃、数学って得意でしたか?
私は理数系がすごく苦手でした。その中でも、おそらく皆様も勉強されたのではないのかと思いますが、「三平方の定理(ピタゴラスの定理)」、「三角関数」って覚えているでしょうか?
三平方の定理の公式は「a²+b²=c²」三角形の比が1:2:√3なら30°・60°・90°の直角三角形、1:1:√2なら45°・45°・90°の直角三角形のようなものです。
得意だ!って方もいれば苦手だ!もう聞きたくない!なんて思われる方も中にはいるのではないでしょうか?
建物を建てる際、特に屋根など勾配がつくようなところでは、先ほど述べた数式を用いて寸法を出すことができます。
学生の頃は、こんな公式や計算覚えてどこで使うんだ・・・とか思っていましたが、こうしたところで役立つんですね。勉強に意味のないものはないということです。
今でこそ電卓や、計算ソフト、デジタル機器など、便利なものが世の中にはたくさんありますが、昔の大工さんはそういったものがない中、様々な道具や経験、知識を駆使して寸法を出していました。
その道具の中でも特に重要なものが「差し金」と呼ばれる道具です。聞いたことがある方もいるかもしれません。
↓差し金

昔の大工さんはこれ一つで様々な勾配や寸法を出していました。昔の職人さんはすごいですね!とにかく、建築物を建てるのには欠かせない道具の一つです。
今では長さの単位はミリ、センチ、メートルなどが一般的です。しかし昔の日本の長さを表す単位に用いられていたのが「尺、寸、分、厘」(しゃく、すん、ぶ、りん)というものです。
昔話で出てくる「一寸法師」やことわざなどでも出てくるような単位です。(一寸=30.3㎜、一尺=303㎜→10寸=1尺)
今の建築で用いられる寸法、長さは、昔のこの単位を基準に考えられた規格が多々あります。例えば合板や建材などの規格寸法、木材の寸法、柱心~柱心の寸法モジュールなどなど。
その単位が刻まれた差し金などを使い、屋根、木組みの加工を行うための墨付けをする大工技法のことを「規矩術(きくじゅつ)」といいます。
すごく難しい内容なのでざっくりと説明しますと、L字形の金属製の物差しで、表にはかね尺の寸、裏にはその
倍の長さに目盛りが刻まれています。下図のような勾殳玄(こうこげん)という三角形の辺を差し金の表目と裏目を用いて出すことをいいます。

ちょっとマニアックな、しかし、建築物を構成するのに欠かせない重要な手法のお話でした。気になる方はぜひご自身で調べてみてください!
新たな視点で建物を見る目が少し変わるかも?しれませんよ。
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