経年美化

こんにちは。中原です。
突然ですが、私はお酒が大好きです! 仕事終わりの一杯。沁みます・・・
中でも特にウイスキーが好きで、休日にはゆっくりグラスを傾けながら味や香りの変化を楽しむ時間を大切にしています。
ウイスキーは長い年月をかけて熟成されることで、深みや個性が生まれます。若い頃の刺激的な味わいから、時間を重ねることでまろやかさや
奥行きが増していく。その変化に、とても魅力を感じています。
建築にもウイスキーと似た魅力があると感じています。それがタイトルにもある「経年美化」という考え方です。
一般的には、建物は新築時が最も綺麗だと思われがちです。しかし、私は本当に良い住宅とは、年月を重ねることでさらに魅力が増していくものだと思っています。
私たちの工務店でも、無垢材や塗り壁などの自然素材を多く取り入れた家づくりを行っていますが、それは単に見た目や質感が良いからではありません。
時間や、家族の思い出とともに素材が変化し、その家ならではの表情を作っていくからです。
日本古来の社寺仏閣にも経年美化の考え方は強く表れていると思います。長い年月を経た木材の色合いや、雨風によって生まれた柱や梁などの風格には、新築には無い美しさがあります。
何百年も人々に大切にされながら受け継がれていた建築には、古くなるのではなく、時を重ねることで価値が増していくという日本ならではの美意識を感じます。
例えば無垢の床も、住み始めたころはまだ木色が若く、どこか硬い印象があります。しかし、何年も暮らしていくうちに、日差しや人の手によって少しずつ色味が変化し、
艶が増していきます。小さな傷さえも、その家族の暮らしの記憶として馴染んでいくように感じます。自然素材には、工業製品にはない育て行く魅力があります。
建築もウイスキーと同じように、完成した瞬間がゴールではなく、時間を重ねることで本当の価値が生まれるものだと思います。だからこそ私は10年後、20年後にも
「この家にしてよかった」と感じてもらえるような、時間とともに美しく育つ家づくりをこれからも大切にしていきたいです。