たかがトイレ、されどトイレ

2025.11.28

先日、地元地区で防災訓練が行われ、役員として準備と運営に関わりました。
今回初めて避難訓練を実施し、約15家庭が参加してくださいました。

会場では 段ボールベッドや非常用トイレの展示 があり、参加された皆さんの関心の高さがうかがえました。
参加者の方々と話をする中で、飲料水や食料の備蓄は意識されていても、
「トイレの備え」がほとんどの家庭で準備されていない という事実が浮き彫りになりました。

先日発表された 内閣府「防災に関する世論調査(2025/速報)」 によると、

災害に備えて3日分以上備蓄している人の割合は以下の結果となっています。

備蓄内容 割合
飲料水 69.8%
食料(レトルト・缶詰等) 59.7%
携帯トイレ・簡易トイレ 27.5%
暑さ寒さ対策消耗品 19.0%

水や食料は半数以上が備蓄しているのに対し、
簡易トイレの備蓄は27.5% と、極端に低い水準にとどまっています。

災害時は「食事は数日我慢できる」と言われますが、
トイレは数時間しか我慢できません。

そして、トイレが使えなくなる理由は断水だけではありません。
下水管が破損し「排水できない」状態になると使用不能となります。

住宅会社として考える「在宅避難 × 住宅性能」

私たち住宅会社は、災害が起きた際の避難について特に
“在宅避難” の重要性を強く感じています。

▼ 在宅避難を可能にする3つの条件

必要条件 内容
① 家が壊れない安全性   耐震性能・構造体
② 暑さや寒さから身を守れる環境   断熱性能・気密性能
③ 最低限の生活機能   水・食料・トイレ(簡易トイレ)・暖房器具

どれかひとつ欠けるだけで
自宅での生活が継続できなくなります。

耐震性能で家が無事でも、
断熱性能が低い家では真冬の停電時に過ごすことはできません。
さらに、どれだけ快適な家でも トイレが使えなければ生活は成立しません。

つまり、

防災=住宅性能 × 備蓄(特にトイレ)

という考え方が重要になります。

今日からできる備え

✔ 家族人数 × 1日5回 × 3日分以上の「簡易トイレ」備蓄

✔ 停電でも極端に温度が変化しない住宅性能(断熱・気密)

✔ 水・食料の備蓄

簡易トイレは大災害後すぐに店頭からなくなります。
ブラックフライデーなどのセール期間を利用して揃えておくことをおすすめします。

たかがトイレ、されどトイレ。
命を守る大切な備えです。

今回の防災訓練を通じて、
地域全体で防災意識を高めることの重要性を改めて感じました。

同時に、住宅会社として
「災害後も家族が自宅で生活を続けられる家づくり」 への責任も強く感じています。

ご家庭でも、ぜひ今日から防災について話し合ってみてください。

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