外構工事で損をしないために

家づくりの打ち合わせをしていると、よくこんなお声をいただきます。
「建物をまず予算内で仕上げて、外構はまたお金が貯まってからやろうと思ってます。」
一見、とても合理的に聞こえますよね。
ところが実はこの考え方こそ、家づくりで最も損をしやすいポイントの一つ なんです。
外構というのは、本来 建物の設計と連動して考えるべきもの です。
たとえば…
-
ポーチの階段
-
アプローチの勾配
-
外構の照明位置
-
植栽の配置
-
駐車場の動線
これらは建物単体では完結せず、“外”の計画とセットで考えることで初めて美しく、使いやすくまとまります。
しかし建物だけ先に決め、外構を後回しにすると…
-
「ここ、階段作れないですね」
-
「照明の配線がもう通せません」
-
「水勾配が合わないので追加工事が必要です」
と、制約や追加費用が一気に増える ことがよくあります。
結果として、
「建物は予算内に収まったけど、外構で想定以上にかかった…」
というケースは珍しくありません。
外構を後回しにすると、見積りの精度も下がります。
建物と外構をセットで計画すれば
・材料費
・土間コンの量
・排水計画
・照明配線
・境界工事
などが同時に判断でき、トータルの予算を正確に把握できます。
しかし「とりあえず建物だけ」で進めると、
後で取り返しのつかないズレが発生し、結果として 予算が崩壊するパターン も少なくありません。
私自身、外構を後回しにして良かったという話を聞いたことは一度もありません。
もう一つ大きな問題は、気持ちの面です。
家が完成して住み始めると、どうしても当初のワクワクした熱量は少し落ち着きます。
その状態で外構を考えると、
-
「まあ、今回は砂利でいいか」
-
「ライトはまた今度でいいか」
と、どうしても 妥協が生まれやすくなる のです。
せっかくのマイホーム。
ここで妥協するのは、ちょっともったいないですよね。
物価高の今だからこそ“後回し”はさらに危険
今はコンクリート、砂利、植栽、金物まで材料費が上昇し続けています。
「数年後にやろうと思っていたら、見積りが1.5倍になっていた」
これは実際にあったお客様の事例です。
また、庭や駐車場が未整備のままだと、
-
雨のたびにドロドロ
-
車が汚れる
-
玄関が泥だらけ
-
子どもが遊べない
と、日常のストレスにも繋がります。
外構は「余った予算でなんとかする部分」ではなく、
家のデザインを完成させる大切なパーツ です。
建物と外構を別々ではなく、
一つの“暮らしの器”として一体で考える。
これが、費用面でもデザイン面でも満足度の高い住まいをつくる唯一の方法です。

少し前になりますが、外構工事の考え方についてYouTubeでもお話しています。
よろしければぜひご覧ください。
外構まで含めて家づくりが完成します。
「後で…」ではなく、ぜひ設計段階から一緒に考えていきましょう。