温故知新

すっかり涼しく(若干寒く)なり、行楽の秋になりました。
先日は兵庫県立美術館で開催されている展覧会『リビング・モダニティ 住まいの実験』を訪れました。
住宅設計の転換期となった1920~1970年代に建てられた14邸のモダン・ハウスが様々な視点で紹介されており、見ごたえのある内容でした。
◇ル・コルビュジエ「ヴィラ・ル・ラク」

実際のスケールで窓辺を再現されています。
湖の景色を見るために設けられた大きな窓はまさしく、コルビュジエが提唱した「近代建築の5原則」の「水平横長窓」ですね。
家の中に風景を取り込むことで、自然を楽しみ、開放感を生み出すことができます。
◇ルイス・カーン「フィッシャー邸」

ベンチと一体になった窓。こちらも実物大です。
フィッシャー邸は、45度ずらした2つの箱を組み合わせた形で有名です。
道路側は壁で閉じ、自然豊かな庭に対して窓を大きく開いています。
地元産の石と木でできており、周囲の環境と調和しています。

◇藤井厚二「聴竹居」

藤井厚二は日本の気候風土と住宅との関係を追及するため、様々な自宅を建て、気温などのデータを集めていたようです。
聴竹居は5番目の自宅で、各部屋は日射や熱、通風など自然エネルギーを生かした配置となっています。

夏は地中で冷やした空気を室内に取り入れる導気口もあり、機械に頼らない快適な住まいの工夫がなされています。
名作住宅の数々に圧倒され、情報量の多さに頭がパンクしそうでした…。
1世紀前の住宅と現代の住宅とでは世界の状況や環境も異なりますが、活かせる点はいくつもありそう。様々な知識を増やして、よりよい住宅を目指していきたいです。