賃貸という選択

最近ニュースで目にするのが、「観光地で民泊が増え、地元の人が住む家の家賃が上がっている」という話題です。
実際にバルセロナやニューヨークでは、観光客向けの短期賃貸が急増し、住民が引っ越しを迫られるケースも出ています。
東京でも「家賃2倍超の引き上げ通告」
板橋区で、築40年超の7階建てマンションに住む住民に対し、家賃が2倍以上になると突然通知され、エレベーターが突如使えなくなるなどの嫌がらせによって40%の住民が退去。これらは、民泊への転用を目的とした可能性があるとされています。
では、私たちが暮らす鳥取ではどうなのでしょうか?
2025年現在、鳥取の家賃は全国的に見ても比較的手頃です。
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鳥取市
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ワンルーム:4万円前後
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2DK:6万円前後
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平均:5.3万〜5.4万円程度
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岩美町
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1K:3.8万円ほど
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都会のように「狭いのに高い」という状況はなく、広さも確保できる暮らしやすい水準です。
鳥取では家賃が大きく上がる要素はあまり見られません。
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人口減少で借り手自体が増えにくい
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空き家が多く、供給に余裕がある
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戸建て志向が強く、アパート需要が過度に集中しない
「家が足りないから高騰する」という都市部のような状況は生まれにくいのです。
ただし、すべての地域が横ばいというわけではありません。
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鳥取大学周辺 → 学生需要が安定しており、家賃は下がりにくい
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高性能物件(断熱等級6など) → 光熱費削減や快適性が評価され、相場より高めで貸し出せる
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移住・二拠点居住の増加 → 「暮らしやすい賃貸」への需要が新しく生まれる
鳥取の家賃動向を大きく3つに整理すると…
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現状維持シナリオ
→ 全体的には横ばい〜微減。 -
観光活性シナリオ
→ 観光地周辺だけ家賃が上昇。 -
移住促進シナリオ
→ 高性能・好立地物件は相場以上で貸し出せる可能性。
つまり「鳥取全体の平均は安定しつつも、物件の魅力によって差が広がる時代」になっていきそうです。
–これからの鳥取に必要な「魅力ある賃貸」–
安さだけでなく「選ばれる理由のある賃貸」が求められます。
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高断熱・省エネ賃貸
冬暖かく夏涼しい、光熱費を抑えられる暮らし。 -
ワークスペース付き1LDK
テレワークやワーケーション層に対応。 -
ペット共生型賃貸
キャットウォークや足洗い場付きで、ペット連れ世帯に人気。 -
大収納・パントリー重視
収納不足の不満を解消。 -
自然素材を使った賃貸
無垢材や漆喰で「鳥取らしい住まい」を演出。 -
短期滞在対応(移住お試し住宅)
家具付き・Wi-Fi完備で「鳥取暮らし体験」を提供。 -
子育てサポート型賃貸
キッズスペースやベビーカー置き場を備えた安心設計。 -
コミュニティ型賃貸
共用リビングや庭で入居者や地域と交流。 -
空き家リノベ賃貸
古民家を再生し、若者や移住者に人気の住まいに。 -
景色を活かした賃貸
日本海や山並みを望める立地を最大限に活かす。
鳥取の家賃は、全体としては大きく上がる見込みはありません。
しかし、観光地に近い立地や高性能物件など「付加価値」を持つ賃貸は、これから評価されやすくなります。空き家活用やリノベーションを含め、
「ただ安い」ではなく「暮らしを選ばれる賃貸」 をつくることが、これからの鳥取にとって重要なテーマだといえます。 -