雲の上の図書館を訪ねて
2025.06.20

先日、高知県の山の中にある「雲の上の図書館」へ行ってきました。
場所は、四国・高知県の梼原町(ゆすはらちょう)。
鳥取からは車で約4時間半。けっこうな道のりでしたが、それでも足を運ぶ価値のある場所でした。
この図書館は、世界的建築家・隈研吾さんの設計によるもの。
実はこの町には、隈さんが手がけた建築が世界で最も多く集まっており、ご本人も「原点」と語る場所でもあります。
山間の静かな町に、木と光がやさしく包む空間。
図書館とは思えないほど開かれた設計で、学校終わりの子どもたちや地域の大人たちが自然と集まり、にぎわいを生む場所になっていました。
本を読む人、宿題をする子、会話を楽しむ人。それぞれが思い思いの時間を過ごしていて、建築が暮らしの一部になっている様子が印象的でした。
館内を見ていくと、地域材をふんだんに使いながらも、建築コストを抑えるために細やかな工夫がされていることが随所に見てとれました。
潤沢な予算があるわけではない中で、地域の技術と素材をどう活かすか。まさに“制約の中の創造”で生まれた建築だと感じました。
こちらは、雲の上のギャラリー。
その他にも様々な施設がありました。
遠かったけれど、建築やまちづくりに関わる者として、たくさんの気づきと刺激を得る旅になりました。
美しいだけでなく、地域に寄り添い、人の流れや暮らしを変えていく建築。
私たちがこれから手がけていく家づくりにも、こうした視点を大切にしていきたいと改めて思いました。