町をつくる

■「町をつくる」工務店の挑戦に学ぶ 〜鹿児島オバマビレッジ視察レポート〜
今週月曜・火曜の2日間を使って鹿児島へ視察に行ってきました。
目的は、いま建築業界でも注目を集めている「オバマビレッジ」の見学です。
このプロジェクトは、人口わずか600人程度の小さな村に、新しい”町”をつくってしまったという、まさに“町づくり工務店”の実践例。
私たちも日々、地域に根差した家づくりをしていますが、そのスケール感と志の高さに強く惹かれ、スタッフの花田・土堂を連れて現地に足を運びました。
今回の視察には、弊社のガーデン事業でもお世話になっている星さん、そして横浜の「ワイドアルミ」のスタッフの皆さんも同行。
異業種の方々と現地を歩き、感じたことを共有できたのも大きな学びとなりました。
■アクセスの良さと立地の魅力
移動はスムーズで、伊丹空港から飛行機で約1時間半。
鹿児島空港に到着後はレンタカーで20分ほど走れば、もう目的地のオバマビレッジに到着します。
到着してまず目に飛び込んできたのは、雄大な桜島の景色。
その絶景を背景に、店舗やレンタルオフィスなどが自然と調和するように配置されていました。
建物はエリアごとに分かれており、計画的なゾーニングが行われている印象です。
■運営の工夫と高い集客力
各施設は、それぞれの出店者が自ら運営を担当し、イベントやPRは全体で連携しながら行うスタイル。
個が独立しつつ、全体としては一つのビレッジとしてまとまる形が印象的でした。
特に驚いたのは、週末の集客力。
非常に広い駐車場があるにもかかわらず、土日は満車になるほど人が訪れるとのこと。
地域の外からも人を呼び込む「目的地」としての機能を果たしており、観光と暮らしが融合した空間に成長しているのが伝わってきました。
■土地の価値を高める「建築の力」
オバマビレッジができた当初、周辺の土地は平均で坪5万円程度だったそうです。
しかし現在では、近くの分譲地が坪15万円で販売されるほどに。
魅力的な建物、丁寧につくられた街並み、そこに訪れる人々の流れが、地域の価値そのものを高めていることを証明しています。
単なる建築ではなく、「まちづくり」の視点をもったプロジェクトが、いかに地域にポジティブな影響を与えるか。
それを肌で感じる視察となりました。
夜に連れて行ってもらったお店は鹿児島の郷土料理をいただきました。
全て美味しかった。
絶品の鳥刺し
今回のオバマビレッジ視察は、私たち自身のこれからの家づくり、まちづくりを考える上で、大きなヒントと勇気をもらえる時間でした。
「地域に必要とされる場を、自分たちの手でつくる」。
そんな強い想いと実行力が、多くの人を惹きつけ、地域を動かしている。
私たちも、鳥取という地方都市で家をつくりながら、暮らしを育む「土壌」ごとデザインしていける存在を目指したい。
そんな決意を新たにする機会となりました。